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Last updated: 2005.10.29
米国大統領選が,現職のブッシュ大統領の勝利に終わり,あと4年間は,米国の温暖化政策に大きな変化は見られないでしょう.
COP 10における交渉スタンスも,基本的には以前と変化が見られていないようです.
ただ,当然ながら政権が代わった段階で,政策が大きく転換されることはよくあることです(クリントン政権→ブッシュ政権のそれはあまりに顕著でしたね).したがって,「米国は」という表現は危険で,「...政権は」という表現の方が妥当なのでしょう.
ところで,あと4年間の「ブッシュ政権」を,温暖化の側面からどのようにとらえればいいのでしょうか?
好き嫌いのはっきりしているブッシュ大統領自身の意向はともかく,いくつかの温暖化のプログラムは動いています.力業ともいえるCO2地中隔離もそうですが,水素エネルギー系の研究開発・実証という点での,米国の底力は非常に大きいのはご存じでしょう.
米国政府の中の,いわゆる環境派のひとたちの考え方はどのようなものでしょうか?おそらく
というようなものではないでしょうか.彼らは,ブッシュ政権「後」を考えながら,いま,この制約の強い中で何ができるか?を考えているはずです.
一方で,第2コミットメント期以降,米国が京都議定書の枠組み(あるいは類似の枠組みかもしれませんが)に入ってくるために,なにがそのインセンティブとなるのでしょうか?米国人の気質を考えると
というような点を「くすぐる」ようなことができるといいですね.
もちろん,米国国内の一般市民,産業界,議会などの「リアリティー」を踏まえた上で,国内GHG排出権取引制度などの「動き」を活かす形で,魅力的な国際制度オプションを提供することで,「米国を」動かすことができるかもしれません.いずれにせよ,一朝一夕にはできませんので,地道な努力と斬新なアイデアが必要でしょう.
[この文章は,ナットソースジャパンレター 2005年1月号に寄稿したものに,少し変更を加えたものです]